今回はGogoJungleで販売されているEA「アノマリーマスター」を分析したので、その結果を紹介します。
購入を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
アノマリーマスターとは?
アノマリーマスターは、仲値トレードをベースとした4つのロジックで構成された米ドル/円(USDJPY)専用のEAです。
実需に逆らわないトレードをするため、安定した資産運用を行うことができます。
仲値トレードとは
仲値とは金融機関が顧客との外国為替取引を行う際に基準として使用するレートのことで、毎営業日の日本時間9時55分に公表されます。
この公表の前の9時30分ごろから仲値決定にかけて米ドル/円が上昇する傾向があります。
この傾向を利用したトレードが仲値トレードです。
アノマリーマスターの概要です。
EA名 | アノマリーマスター |
---|---|
開発者 | Trader Kakugo |
通貨ペア | USDJPY |
取引スタイル | デイトレード |
最大ポジション数 | 1 |
使用時間足 | 5分足 |
最大ストップロス | 60 |
テイクプロフィット | 60 |
両建て | なし |
価格 | ¥30,000 |
販売開始日 | 2021年4月28日 |
利用者数 ※2024/1/7時点 | 754名 |
利用者数が754名となっており、販売開始が2021年4月28日ということを考えると、1日1本程度売れているという計算になります。
すごく人気のEAですね。
価格は30,000円とGogoJungleのなかでは少し高めですが、バックテストの結果から考えると1ロットで運用すれば1か月で十分元が取れる金額です。
バックテストレポート
アノマリーマスターのバックテストレポートについて分析していきます。

Gogojungleで販売されているEAは、バックテストレポートが公開されており、EAを購入していない方でも見ることができます。
実際のバックテストレポートを見たい方は下記からどうぞ。
また、バックテストレポートの見方については、下記で詳しく解説していますのでご確認ください。
バックテストレポートの詳細
バックテストレポートを確認するときにネックになるのが、取引数量や口座の通貨単位が開発者によってバラバラということです。
単利運用なのか複利運用なのか、また、ドル建て口座なのか円建て口座なのかで、同じEAでも違う結果になってしまいます。
他のEAと比較するためには、基準を揃える必要があります。
そこでバックテストレポートの全取引を分析し、pips単位での損益を算出しました。
その結果が下記になります。
取引開始 | 2006/1/2 | 取引終了 | 2021/12/30 |
不整合 チャートエラー | 0 | モデリング 品質 | 89.99% |
通貨ペア | USDJPY | スプレッド | 10 |
取引数 | 2,074 | 勝率 | 62.1% |
勝ち回数 | 1,288 | 負け回数 | 775 |
総益 | 9,606pips | プロフィット ファクター | 1.92 |
総利益 | 20,066pips | 総損失 | -10,460pips |
最大利益 | 60pips | 最大損失 | -60pips |
平均利益 | 16pips | 平均損失 | -13pips |
最大ドローダウン | 230pips | ドローダウン 最大回復時間 | 5952:35 |
平均保有時間 | 3:52 | 最大保有時間 | 7:00 |
プラス月数 | 160 | マイナス月数 | 32 |
月平均損益 | 50pips | 月別勝率 | 83.3% |
損益
最終的な損益は、9,606pipsとなっています。
1ロット(10万通貨)で運用した場合、960万円の損益ということになります。
スプレッド
スプレッドは売値と買値の価格差のことで、実質的な取引コストになります。
設定が小さければ良い結果が出やすく、高ければ高いほど利益を出すのが難しくなります。
本バックテストでは、10point、つまり1pipsで設定されています。
ほとんどの国内FX業者はスプレッドは1pips以下なので、国内のFX業者を利用する場合は問題ないでしょう。
一方、海外のFX業者は1pipsを超えるところが多いので、利益が出づらくなります。
下記サイトでリアルタイプのスプレッド値が確認できます。
モデル品質・不整合チャーエラー
モデル品質は90%(あるいはそれ以上)、不整合チャートエラーは0が望ましいです。
本バックテストではモデル品質は89.99%、不整合チャートエラーは0なので、特に問題はない数値です。
バックテスト期間と総取引数
本バックテストの運用期間は、2006年~2021年までの約16年間となっており、十分な検証期間といえます。
上記期間のうち平日の数はざっくり4,000日くらいあり、取引回数が2,074回なので、2日に1回程度の取引頻度ということになります。
個人的には1日1回くらいはほしいところですが、問題はないかと思います。
月間損益
月毎の損益です。
2006年1月から2021年12月までの192か月間で、プラスの月は160回あり、勝率としては83%になっています。
1月間の平均損益は50pipsです。
計 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | 516 | 6 | 38 | 71 | -34 | 73 | 78 | 19 | 75 | 8 | 49 | 105 | 28 |
2020年 | 595 | -14 | 16 | 225 | 183 | 109 | -43 | 74 | -26 | 86 | 7 | 21 | -42 |
2019年 | 494 | 65 | 1 | 46 | 75 | 49 | 29 | 34 | -19 | 28 | 33 | 60 | 92 |
2018年 | 747 | 88 | 69 | 31 | -4 | 97 | 91 | 100 | 79 | 70 | -12 | 77 | 62 |
2017年 | 731 | 139 | 126 | 105 | 28 | 3 | 31 | 96 | 48 | -81 | 85 | 76 | 74 |
2016年 | 958 | 118 | 144 | 92 | 168 | -32 | 146 | 77 | 125 | -4 | 57 | -28 | 96 |
2015年 | 360 | 39 | 40 | 14 | 7 | 4 | 18 | 94 | -121 | 103 | 69 | 25 | 68 |
2014年 | 379 | 11 | 79 | -48 | 71 | 25 | 40 | -12 | 41 | 35 | 102 | 109 | -73 |
2013年 | 936 | 254 | 127 | 6 | 136 | 92 | -166 | 198 | 19 | 116 | 82 | 9 | 62 |
2012年 | 604 | -8 | 44 | 55 | 139 | 63 | 35 | 52 | 5 | 56 | 104 | 57 | 1 |
2011年 | 687 | 65 | -4 | 130 | 46 | 38 | 38 | 45 | 153 | 93 | 31 | 26 | 27 |
2010年 | 611 | 69 | 219 | -36 | 28 | -160 | 42 | 76 | 58 | 76 | 104 | 84 | 50 |
2009年 | 1,126 | 133 | 81 | 40 | 191 | 100 | -11 | 128 | 90 | 125 | 200 | 62 | -11 |
2008年 | 181 | 33 | -5 | -172 | 30 | 59 | 102 | 0 | 0 | 36 | 95 | -158 | 161 |
2007年 | 259 | 39 | -25 | 28 | 38 | 17 | 37 | -80 | 34 | 27 | -2 | 53 | 93 |
2006年 | 423 | 178 | 4 | 123 | 13 | -32 | 27 | 70 | -75 | 63 | 62 | -50 | 39 |
年間損益
年毎の損益です。
損益額のばらつきはありますが、マイナスの年はなく安定した結果となっています。

損益推移
損益推移です。
大きなドローダウンもなく、きれいな右肩上がりで安定していることが分かります。

損益分布
1回の取引での損益額の分布です。
おおよその取引は、±20pips以内の損益となっています。

ポジション保有時間
ポジションの保有時間の分布です。
全てのポジションは7時間以内には決済されます。

収益性
バックテストレポートの結果をもとに、どれくらいの収益性があるかを考えてみます。
1ロット(10万通貨)で運用した場合の、月利回りを計算してみました。
通貨ペア | USDJPY |
レート | 150.607 |
ロット | 1 |
必要証拠金 | 602,428円 |
月平均損益 | 50,292円 |
月利回り | 8.35% |
最大DD | 230,000円 |
最大DD率 | 38% |
必要証拠金は1ロットのポジションを持つために必要な最低金額ですので、実際は含み損やドローダウンを考慮し、もう少し資金を入れる必要はあります。
それでも、月の利回りは8.3%を超える結果ですので、期待のできるEAと考えています。
フォワードテスト
GogoJungleのサイトでアノマリーマスターのフォワードテストの結果が公開されています。
2021年4月 ~ 2024年1月現在の運用で114万円の収益となっており、順調に利益を上げています。
収益 | 1,141,980円 | 収益率 | 113.47% |
プロフィット ファクター | 1.44 | 勝率 | 56.23% |
リスク リターン率 | 5.34 | 最大保有 ポジション数 | 1 |
平均利益 | 16,088円 | 最大 ドローダウン | 12.795% (213,890円) |
平均損失 | -14,383円 | 最大利益 | 60,000円 |
口座残高 | 2,141,980円 | 最大損失 | -60,000円 |
最新情報は下記から確認できます。
フォワードテストの詳細
バックテストレポート同様、基準を揃えないと良し悪しが判断できないので、フォワードテストの結果をpips単位で換算しました。
その結果が下記になります。
取引数 | 378 | 勝率 | 56.1% |
勝ち回数 | 212 | 負け回数 | 165 |
総益 | 1,038pips | プロフィット ファクター | 1.44 |
総利益 | 3,411pips | 総損失 | -2,373pips |
最大利益 | 60pips | 最大損失 | -60pips |
平均利益 | 16pips | 平均損失 | -14pips |
最大ドローダウン | 213pips | ドローダウン 最大回復時間 | 7103:17 |
平均保有時間 | 3:54 | 最大保有時間 | 7:00 |
プラス月数 | 21 | マイナス月数 | 12 |
月平均損益 | 32pips | 月別勝率 | 63.6% |
バックテストレポートと比べると勝率、プロフィットファクター、月平均損益など各数値は悪くなっています。
今後の動向も注視していく必要があります。
最後に
以上、アノマリーマスターの分析結果について解説しました。
勝率は60%と他のEAと比べてそこまで高いというわけではないですが、コツコツ安定した結果を出すEAとなっています。
フォワードテストでも安定した成績となっており、今後も期待できそうです。
ぜひ参考にしてください。